変数(へんすう)
ここからは、プログラミングするにあたって、基本的でかつ重要な機能を見ていきます。
まずは、変数(へんすう)からです。
目次
1. 変数
変数は、簡単に言うと「値を記憶しておく箱のようなもの」と思ってください。
変数に、値を記憶させておけば、後からその変数記憶されている値を取り出して利用することができます。
変数を使う前には、「変数をこれから使いますよ」と「変数の宣言」が必要です。
「変数の宣言」には、「let」というキーワードを使います。
※プログラミング言語によって、宣言方法や代入できる値は異なります。
1-1. 変数の宣言
変数を宣言するには「let」を使い下のように書きます。
let 変数名
「変数名」には、好きな名前を付けられます。
//変数「x」の宣言
let x
上は、変数「x」を宣言しました。
これで変数「x」が使える状態になりました。
この段階では、変数「x」は宣言されただけなので、変数「x」の中身は空っぽです。
下で、この変数「x」になにか値を記憶させてみましょう。
1-2. 値の代入
上で宣言された変数「x」に、文字列「こんにちは」を記憶させてみます。
//変数「x」に文字列「こんにちは」を記憶させる
x="こんにちは"
これで、変数「x」に文字列「こんにちは」が記憶されました。
この、変数に値を記憶させることを「代入」といいます。
変数へ値を代入するには「=(イコール)」記号を使います。
上のプログラムをまとめると
// 変数「x」を宣言
let x
// 変数「x」に文字列「こんにちは」を代入
x="こんにちは"
// 変数「x」を参照(使用)している
print(x)
「let」キーワードで変数「x」が宣言されて、「x」に文字列「こんにちは」を代入しています。
1-3. 変数の宣言時に値を代入
また、変数は、その宣言と同時に値を代入することもできます。
let 変数名=値
//変数の宣言と同時に値を代入
let x="おはよう"
print(x)
上は、変数「x」の宣言と同時に値として「おはよう」を代入しています。
1-4. 変数に変数を代入
これまでは、数値や文字列を変数に直に代入していましたが、ある変数が持つ値を別の変数にも代入できます。
/*
変数「x」に「10」を代入して、
変数「y」に変数「x」を代入している。
*/
let x=10
let y=x
print("x=" + x + "\n")
print("y=" + y + "\n")
上は、変数「x」を、変数「y」に代入しています。
結果は、
y=10
になります。
変数「x」の値が、変数「y」の値にもなっていますよね。
1-5. 式の代入
変数の値に計算式のような「式」を代入したらどうなるでしょうか?
// 変数「x」には、式が計算された結果が代入される
let x=100+10+1
print(x)
上の変数「x」には、「100+10+1」の計算結果「111」が数値として代入されることになります。
式そのもの(100+10+1)が、変数の値になるわけではないので注意してください。
値側に計算する必要があるものが置かれると、代入の前に計算が先に行われて、その結果が変数に代入されます。
下も、同じことです。
// 変数「x」には、式が計算された結果が代入される
let x="あ"+"い"+"う"
print(x)
結果は、「あいう」になります。
1-6. 変数の参照(使用)
変数に代入されている値を取り出したいときは、その変数名を指定します。
// 変数「x」を宣言
let x
// 変数「x」に文字列「こんにちは」を代入
x="こんにちは"
// 変数「x」を参照(使用)している
print(x)
上のプログラムでは、printのところで変数「x」を参照(使用)しています。
参照された変数は、その変数に代入されている値に展開されます。
(代入されている値が取り出されるということ)
下は、変数「x」が参照されたときのイメージです。
// 変数「x」が参照(使用)されている
print(x)
↓(変数「x」が参照され、その値に展開された)// 参照(使用)された変数は値に展開される
print("こんにちは")
結果は、「こんにちは」と表示されます。
1-7. 変数の使いまわし
「let」で宣言された変数は、後に続くプログラムで使う事ができます。
// 変数「x」を使いまわす
let x
x="おはよう\n"
print(x)
x="こんにちは\n"
print(x)
x="こんばんは\n"
print(x)
結果は、
こんにちは
こんばんは
になります。
見てわかる通り、一度宣言された変数の値は、新しい値で上書きできます。
※値を上書きできないようにロックすることもできますがここでは割愛。
2. 試してみよう
変数「x」に数値「10」を、
変数「y」に数値「20」を代入して、
「x+y」の結果を表示させてみてください。
2-1. 答え例
let x=10
let y=20
print(x+y)
let x=10
let y=20
let z=x+y
print(z)
3. まとめ
変数を宣言してその変数に値を代入しました。
変数に代入されている値を取り出して使用しました。
変数の宣言には「let」キーワードを使います。
変数に値を代入するには「=(イコール)」記号を使います。
変数に代入されている値を取り出すには、その変数名を参照します。
参照された変数は、代入されている値に展開されます。
宣言された変数は使いまわしができます。
次は、「配列(はいれつ)」についてです。